わたしの300万円!?

出てみると、自動音声で
「日本郵便です」と音声が流れ、確か0を押してください、などと誘導音声が流れた。
すると、若そうな男性が出た。

「郵便が止まっていまして、確認のためお名前をお願いします、確認のため、生年月日もお願いします」
なんら疑わず本名と誕生日を答えた。

「なんの荷物ですか?」
とわたしが問うと
「そちらから送られた沖縄の○○さんへのお荷物をお預かりしておりまして」

なんだろう、あまり覚えていないなと思って戸惑っていると

「衣類です」と言われ、

「ああ、もしかしたら、動物愛護の寄付のタオルやら衣類を送り合うことはあるから、それかな?」と思った。

「ただですね、実は、その衣類に…」

「え」

「衣類に300万円が包まれていたんです」
300万円!?

え、でもありえるぞ、ありえるのか?これがありえるのだ。
動物愛護の活動をしていると、数百万使ってください、とか名無しで大きなお金や物を寄付してくださる人が、結構いるのだ。
この300万円もそうかな?

いやだけど、電話口の若い男性は、送り主はわたしだと言う。
え、ということは?
わたしの300万円!?
超ラッキーじゃん!
送った覚えはないけれど、忘れっぽくなってるし、まさかの?

青木さやか、SBIグループ朝倉智也社長
本連載をもとに青木さんが書いた初の小説『母』(中央公論新社刊)