メダカ1000匹との長いおつきあい
数ヵ月に及んだ外出自粛期間が終わり、ようやく、お仕事も再開となりました。この間、ずっと家の中で過ごしていましたが、家にいることがもともと好きですし、退屈することはありませんでしたよ。料理は大好きなので、毎日しても飽きません。観逃していた映画やドラマをまとめて観ることもできましたし。なんと、海外ドラマ3シーズン全30話を3日で観てしまいました。(笑)
息子は東京で、娘はアメリカで暮らしていて、4歳を筆頭に、3歳、1歳、5ヵ月と、4人の孫がいます。行き来はできないので直接会えませんが、リモートでおしゃべりしていたので寂しくはなかったです。メッセンジャーを使ったグループチャットで盛り上がりました。私、パソコンも子育て時代から使っていましたし、便利なツールはどんどん試してみるほうです。
それから、こんな時だからこそできたのが、メダカのお世話。キタノメダカとヒメダカがうちに1000匹ほどいるんですけど、この子たちは寒い季節は冬眠状態で、春になると目覚めて活動を開始するんです。元気に動き出すタイミングがちょうど自粛期間と重なりました。
飼い始めたきっかけは、4年前に知人からキタノメダカをいただいたこと。以前は犬を飼っていたのですが、その子が亡くなった時の別れがあまりにつらくて……。代わりに別の子を、とはとても考えられなかった。しばらくペットのいない生活を続けてきたのですが、たまたまご縁があって、メダカ24匹をわが家に連れて帰ることに。
それからは、卵が生まれたら掬いだして新しい鉢に移し、孵化させて育てる、これを繰り返してきました。年に200~300匹ずつ増え続け、現在大きな鉢が8つ。小さな卵ひとつ見ても、「ああ、命なんだな」と愛おしく思うんです。
でも、まさかこんなにたくさんのメダカたちと、こんなに長いおつきあいになるとはねぇ(笑)。最初にもらった子のうち18匹が今も生きているんですよ。メダカとしては信じられないほどのご長寿で、体も大きく、なんだかメダカには見えないです。
おもしろいのは、育てていくうちに個性が出てくること。暴走族みたいにやたら元気に泳ぎ回る子もいれば、逃げ回ってばかりのビビリな子もいる。そういうビビリが多い鉢に、生まれたばかりの子たちを入れて一緒に育てると、先輩メダカも後輩メダカもともにたくましくなるんです。鉢を「横並び」ではなく「縦割り教室」にすることが、成長を促すんですね。人間と同じだわ、なるほどなあ、と感心しちゃいました。
彼らの様子をのぞき込んでじっくり観察する時や、水を替えるために重たい鉢を動かす時は、腰を下ろしたり立ち上がったりするので、まるでスクワット。私にとっては、巣ごもり生活のなかでの適度な運動になったみたいです。(笑)