ジェンダー意識の変化
女性誌における星占いは、「恋と愛」から始まりました。80年代、90年代も占いの中心テーマは恋と愛。少し年齢層が高い雑誌だと、家族関係など、テーマは広がりますが、星占い=恋愛というイメージは続いたと思います。
もちろん今も占いと恋愛は近しい存在であることに変わりはなく、女性誌における星占いの先陣を切った『anan』も毎年のように恋愛に特化した特集を企画しています。たとえば「2025年前半、あなたの恋と運命。」では、G・ダビデ研究所、星ひとみさん、ゲッターズ飯田さん、水晶玉子さん、Love Me Doさん、Keikoさん、そして僕も参加しています。
女性誌に占星術が掲載されるようになった70年代は、女性の生き方が少しずつ変わってきたとはいえ、まだ「女性は男性に選んでもらう存在」といった社会通念は生きていたと思います。占いの内容にも、それが反映されていたのではないでしょうか。やや尖った層にも訴えかけよう、いや、先導しようとした『anan』は「選ぶ女性」を意識していたかもしれませんが、『anan』よりコンサバティブな層を狙った『non-no』は、星占いの文面もロマンティックだし、より「選んでもらう」色合いが強かったと思います。僕が書いていた少女向けの雑誌も、「選んでもらう」ためのおまじないや魔法がたくさん紹介されていました。
でもいまや、女性の生き方も多様化しています。ですから「女性は男性に選んでもらう」前提の占いのあり方は、すっかり時代感覚とずれてきています。男性でも、能動的な人もいれば受動的な人もいます。女性も然り。ゆえに、「女性だから」という前提は崩れつつあるといってもいいでしょう。そのため、星占いの文面にも変化が起きています。
少し前なら「彼氏」「彼女」なんて普通に使っていましたが、今では「パートナー」とか性別を限定しない言葉を使うのが普通になっています。とくに多感な10代のときに異性愛規範にのっとった星占いの文章に触れて、傷つく性的マイノリティの少年少女がいるかもしれないことを考えると、これは大切なことだと思います。