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僕は佐藤さんより年下ですが、敗戦を現在の北朝鮮で迎え、日本に引き揚げるまでの経験のなかで精神が形成されたようなところがあります。それは人間性に対する絶望と幻滅と言ってもいい。

だけど、だからこそ明るく元気に生きていこうと思ってここまで来たし、人間は愛すべきものだとも思っています。

それは、佐藤さんの「ぐずぐず言うな! それがなんだ」という強い発言にも通じる気がするのですね。世の中は不条理だ。だからといって暗い表情でいるだけではなく、明るい顔をして、身だしなみを整え、背筋をしゃんと伸ばして生きていこう、と。そういう思いがあるから、大変な借金を背負ってもめげずに生きていけたのではないか。

対談中は、阿吽の呼吸で繋がっている感覚がありました。わかり合えるからこそ、あえてつらい部分には触れない。お互いに、そこを語るのは人前でやるべきことではない、といった一種の共感があったのでしょうね。

一見、世間話風に話を進めながらも、心の奥底で共感し合えているのが、とても心地よかった。佐藤さんは先輩だけれども、僕は戦友だと思っています。