当たり前のキャスティングをしない
キャスティングでは一貫して、「当たり前のキャスティングをしない」ということを意識しています。ちょっと意外なところを狙って、そこで生まれる化学反応を楽しみたいと思っているんです。
千利休役の吉岡秀隆さんも、まさにそうでした。千利休はとても有名な人物なので、一般的なイメージでキャスティングすることもできます。ただ、脚本家の八津弘幸さんが描く千利休がどういう人物で、物語の中でどういう役割を担うのかが見えてこないと、なかなか決められませんでした。
実際、吉岡さんの決定はかなり遅くなりました。第33回の脚本が上がり、千利休の人物像が見えてきた段階で、「吉岡さんにお願いしたい」とチームで決めて、オファーしました。
完成した千利休は、すごく魅力的です。立場を超えて臆することなく意見が言えて、とても柔らかく、軽やかなキャラクターになっています。
何か大事なヒントを与えたり、家康との会談の場をセッティングしたり、表立って動くというより、いろいろな人の話を聞きながら、最後にぽろっと本質的なことを言う。そんなポジションですね。関西弁にも挑戦していただいていて、吉岡さんの新たな一面が見られると思います。