転機はベルリン移住

次の転機は、2012年のベルリン移住だ。トニーニョ君が小学校に上がるタイミングで、「息子に広い世界を見せてあげたい」というトニーさんの考えで海外移住を決意した。

「私も、もともと海外に1度は住んでみたいと思っていたんです。でも、子どもを育てていると世話が膨大なので、1人で行くのとは訳が違う。私の母の助けもなくなって、海外で子育てしながら漫画を描けるのか不安でしたが、トニーの希望が強かったので行くことにしました」と振り返る。

小栗左多里さん
小栗左多里さん

教育や医療環境が良く、公共交通機関が発達しているところ…。移住先を探していたとき、知人から「ドイツのベルリンが面白い」という話を聞いた。訪れてみて魅力を感じたのが、特にベルリンの東側だ。緑にあふれ、若者が新しく町を作ろうとするパワーを感じた。街に「ひとめぼれ」したのだ。

ただ、問題は言葉。小栗さんは、英語スクールに通ったり辞めたりと「英語をのんびり学んでいた」というレベル。一方で、語学オタクのトニーさんの希望は英語圏じゃないところ。うまく条件が合致したのがベルリンだった。

「ドイツの中でも英語がよく通じる街だったので、ベルリンは妥協点でした。英語圏じゃないところに決めたのは私の優しさです(笑)。私も英語を勉強していた経験があるので、通じるなら行ってもいいかなと思った部分もあります」と語る。