16歳、『君こそスターだ!』でグランドチャンピオンに
一躍、注目の的となった高田みづえは1960年6月、鹿児島県揖宿郡(現・南九州市)に生まれた。幼い頃から歌が好きで、オーディション番組『君こそスターだ!』(フジテレビ系)でグランドチャンピオンとなったことを機に上京。1977年3月25日に「硝子坂」でデビューする。当時16歳だった。
小柄であどけないルックスながら、新人離れした抜群の声量と、張りのある伸びやかな声質――。歌謡界に新風を吹き込んだ高田はデビュー曲からトップ10ヒットを連発する。当時の音楽シーンは演歌とポップスとニューミュージックが拮抗していたが、ロックミュージシャンの宇崎竜童が手がけた楽曲を、ときにコブシや唸りを効かせて歌い上げる彼女はクロスオーバー的な立ち位置で“カタカナ演歌”とも称された。
同期には前述の『うたコン』にゲスト出演した榊原郁恵のほか、香坂みゆき、清水由貴子、大場久美子、荒木由美子、清水健太郎、狩人、太川陽介、川崎麻世ら有力アイドルがひしめいていたが、そのなかで申し分ない実績を残した高田は各音楽祭の新人賞を総なめにし、NHK紅白歌合戦にも初出場を果たす。歌謡曲の黄金時代で日本レコード大賞が50.8%、紅白歌合戦が77%の視聴率を記録した年だけに、名前と歌声は一気に全国区となった。
デビューから3作続いた宇崎作品で人気を確立した高田は2年目に入ると作詞に松本隆を迎え、歌謡ポップス路線にシフト。「花しぐれ」(作曲:都倉俊一)、「女ともだち」(作曲:筒美京平)などでヒットを重ね、ヒロインの揺れる心情を繊細に描写するすべも身につけていく。
