デビュー50周年に向けて

今回、オリジナル音源と並べたプレイリストト「高田みづえCocer Songs Selection」(「秋冬」のみオリジナル音源ではなく、高田より早くカバーした原大輔盤を収録)を各音楽配信サイトで公開したので聴き比べていただきたいが、原曲がフォークでも、ロックでも、演歌でも、洋楽でも、高田が歌うと不思議とドメスティックな歌謡曲として成立する。そのことがおわかりいただけることだろう。

それはどんな楽曲でも自分の歌として昇華させていたということ。類まれな表現力を備えていたからこそ、どの歌も印象に残り、ときにはオリジナルと思わせるほどの成果を収めることに繋がった。約8年の活動期間中、7回出場した紅白歌合戦で4回カバー作品を歌唱しているのもその証と言えよう。

その背景には薩摩おごじょらしい、芯の強さと気立ての良さもあったに違いない。歌番組における司会者とのやり取りでは、さっぱりとした気性が窺える当意即妙のトークを展開。バラエティ番組でも体当たりのコントで笑いを取るコメディエンヌぶりを発揮して、広く親しまれたが、1985年の芸能界引退後は勝手も分からぬ角界で裏方に徹し、親方の夫と多くの弟子たちを持ち前の明るさで支え続けた。本人は口にしないが、自分を飾ることなく、何事にも全力で取り組む姿勢はアイドル時代から変わっていない。だからこそ人の心に響く歌が歌えるのだ。

先日の『うたコン』ではかつてのまま、サラッと歌いながらも情感が滲むボーカルで視聴者を魅了した高田みづえ。昭和の歌謡曲が若い世代からも注目されている昨今、一夜限りではなく、深みを増した歌声をこれからも聴かせてほしい。デビュー50周年を迎える来年に向けて、そう思っているのは筆者だけではないはずだ。

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