原由子の「私はピアノ」と「そんなヒロシに騙されて」
3年目以降は歌の世界をさらに拡大。松山千春、谷山浩子、桑田佳祐、加藤和彦、谷村新司、村下孝蔵、さだまさしら、当代一のシンガーソングライターが手がけた切ないナンバーから、職業作家によるキャッチーなポップスまで、1作ごとに表現の幅を広げて、大人の歌手へと成長していく。
そのキャリアで特筆すべきはカバー作品の多さ。木之内みどりのアルバム曲だった「硝子坂」、イージーリスニングのインスト曲に日本語詞を乗せた「潮騒のメロディー」、サザンオールスターズの原由子が歌っていた「私はピアノ」と「そんなヒロシに騙されて」、フォークグループ音つばめの「愛の終りに」、オリジナル歌手の中山丈二の没後、各社競作となった「秋冬」など、シングルAB面に収録された楽曲だけで13曲もある。
「そんなヒロシに騙されて」のジャケット
アルバムはともかく、シングルに関してはオリジナル曲で勝負する傾向が強かった当時、この多さは異例だが、それは「曲が良ければオリジナルにこだわらない」という事務所の方針も大きかった。実際、同じ事務所に所属していた郷ひろみ、細川たかし、石野真子、小泉今日子らも、高田ほどではないにせよ、シングルでカバー作品を複数リリースしている。
「私はピアノ」のジャケット