「転ばぬ先の杖」として参考にするくらいがいい

結婚後も、細木からの助言は人生の要所要所でありましたが、育児に関しては、彼女のアドバイスを参考にしなかったケースも多々ありました。やはり細木の時代と今とでは状況が違いますし、子育ての常識も時代とともに変化していますからね。特に夫の両親とは、子どもが生まれてから関係がギクシャクした時期があったので、その時は私も嫁いだ身として義父母を立て、数年の間、細木と距離を置いたこともありました。

世間の皆さんは「細木数子の家族なのだから、何ごとも占いで決めているのでは?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。むしろ私にとっては身近すぎて、「アンチ占い」だった時期もあったくらいです。正しいとわかっているからこそ反発したくなると言いますか、特に子どもの頃はそうでした。

なので、私の講演会に来てくださる方たちにも「お子さんに強制はしないでくださいね」とお伝えしています。占いに限りませんが、親が先回りしすぎると、かえって子どもの可能性を狭めてしまう恐れがありますから。

とはいえ、やはり各人が持って生まれた資質や運気を知り、それを活用していけば、物事はスムーズに進みやすくなります。家の購入、引っ越しや子どもの受験など、大きなイベントの際は、私も六星占術でタイミングを見極めてから臨んできました。占いは「こうしなくてはいけない」ではなく、転ばぬ先の杖として参考にしていただくくらいがちょうどいいと思います。

六星占術の基本的なことはすべて頭に入っていたとはいえ、知識をさらにブラッシュアップするようになったのは6年前からです。それもあらためて勉強をしたというより、細木の仕事に同行して実地研修を積んだ、という感じですね。

現在は細木の時代からのお客様も私が引き継ぎ、同じように個人鑑定を行っています。細木がライフワークにしていた六星占術の勉強会は内容もリニューアルし、細木かおり講演会「Kaorism」として、カジュアルな場所で開催。会場にはキッズルームを設けるなど、私自身の子育ての経験を活かして、若い方が参加しやすい雰囲気作りを心がけています。