前列左から、「エチオピアン・コーヒーハウス」オーナーのダウィット・ギルマさん、 輸入業を営みYouTuberでもあるダニエル・ニガツさん。後列左から、スタッフの 木村夏紀さん、藤原さん、セレモニーの主人役ハイマノット・バルチャさん

丁寧に育てられる良質なオーガニックコーヒー

今回セレモニー体験会を主催してくださったのは、エチオピアンコーヒーを専門に販売するダウィットさん。セレモニーと並行し、エチオピアの歴史や文化についての話をしてくれる。

そんなに暑い気候じゃないこと、世界遺産がたくさんあること、国民性は日本と似ていて礼儀を重んじる文化があること、治安が良いこと……どれもこれも私が抱く「アフリカ」のイメージとは全然違って驚きだった。でもなんだか遠い遠い国だと思っていたエチオピアとの距離が、グッと縮まったように感じた。

一粒一粒手摘みで、自然環境に配慮しながら丁寧に育てられる良質なオーガニックコーヒー。たくさんの時間と手間がかけられているにもかかわらず、生産者さんたちは今もなお貧しい暮らしをしているそうだ。本当に良いものを作る生産者さんたちがちゃんと報われてほしい。だからダウィットさんは味や香りのことだけじゃなく、どんな人がどんな思いを込めて作っているのかも、ちゃんと伝えようとしていた。

もっと多くの人にエチオピアンコーヒーを知ってもらいたい。彼のそのまっすぐな気持ちは、きっとみんなにしっかり届いてる。事実、セミナーが終わる頃には、コーヒーへの興味だけじゃなく、遥か遠くの生産者さんを思う気持ちが生まれていた。

「美味しいコーヒーをありがとう」。コーヒーセレモニーは、そんな感謝の気持ちを伝える、大事な時間でもあるのかもしれない。