バスを乗り間違えた私たち

そしてハワイに到着。私たちは自由行動ができるツアーに申し込んでいた。観光・移動に使える旅行者専用のバスに、自由に乗ることができる。私とアケミはそのバスで市内観光を楽しんだ。

しかし、ホテルへの帰り、私たちは間違えて別のバスに乗ってしまったのだ。終点に着くころには外は真っ暗で、乗客は私たち2人だけ。運転手はイライラしている様子で、早く降りろと言う。私は運転手に、ホテルまで送ってもらおうと、さほどうまくない英語で一所懸命に説明する。すると、運転手は事情を理解してくれ、私たちをホテルまで送ってくれた。

「サンキュー」。私はバスを降りるとき、運転手にお礼を言った。それを見たアケミは、なぜかくすっと笑ったのだ。私はそれが癪に障って、「なんかおかしい?」と聞く。すると、「英語しゃべれるんだなー、と思って」とアケミは言った。彼女は褒めたつもりかもしれないが、とても不愉快だ。

そういえば、私が運転手に説明しているときも、彼女はなんとなくにやにやしていた。私はもう、彼女の前で英語を使うのはやめようと思った。