肌を焼きたかっただけなのに
次の日、私たちは海へ。ハワイの海はきれいで気持ちの良い快晴。嫌なことは忘れて、私たちは使い捨てカメラで写真を撮りながら楽しく過ごした。だがそこで、私は大失敗をしてしまう。
肌を焼いてみたくて、私は日焼けローションを塗っていた。しかしホテルに戻ったら、肌が真っ赤に腫れて、ヒリヒリと全身が焼けるように熱い。日焼けには薬用ローションがいい、と誰かが言っていたのを思い出し、全身に塗ったが、それが状態をさらに悪化させてしまう。私は水を張ったバスタブに入ったまま動けなくなってしまった。アケミは、「大丈夫?」と心配してくれる。しばらくして私は、ベッドに入って眠りについた。
翌朝目覚めると、私の体はさらにひどくなっていて動けない。この日は買い物に行く予定だったから、アケミは早く出かけたそう。しびれを切らした彼女は、「買い物は?」と聞いてきた。私が、「ごめん、動ける状態じゃないから」と伝えると、彼女は「ええっ、一人じゃ行けないよ」と怒り気味に答え、気まずい雰囲気に。
確かに、一人だと寂しいし不安かもしれないが、専用バスもあるし、ショッピングセンターは日本人も多い。でも、アケミは一人で行動するタイプじゃない。無理をしてでも一緒に行ったほうがいいのか、ベッドの中で考えていたら、アケミが着替えを始め、何も言わずに出て行った。
私の不注意で旅行を台無しにしてしまったのは申し訳ない。けれど、動けないのだから仕方がない。私はまたバスタブに水を張り、体を冷やしながらアケミの子供っぽい態度に腹が立っていた。