みんなで笑えるネタになるなら、と
中野 テレビで見る高嶋さんの言動から、「高嶋さんといえばすぐキレる人」というイメージを持っている人は多いかもしれませんね。でも実は、いつも合理的にものを考えている方。
高嶋 そう?(笑)
中野 感情に任せて発言しているようで、相手を貶めたりするようなことは言わないじゃないですか。
高嶋 言いたいことを全部口にしたら、人間関係が大変なことになる。だから抑えているつもりだし、キレている自覚もないのだけど、「瞬間湯沸かし器」とか「怖い」とかイメージで言われてしまって。あー、このキャラクターから卒業したい。
中野 でも、視聴者が言ってほしいことを高嶋さんが遠慮なく口にしてくれるから、テレビで見る分には痛快で面白いんでしょう。
高嶋 私の感情表現がオーバーだからということも大きいんですよ。たとえば疑問を感じたときに、「ん?」程度のことでも、私は「はあああ?」と反応するので、「またキレてる!」と受け止められる。でも、いいんです。みんなで笑えるネタになるなら。
中野 高嶋さんは、自分が怒ることで周囲に与える影響までちゃんと計算しているから、単なる《怒りっぽい人》とは違うのかもしれませんね。世の中には感情の赴くままに突発的にキレる人もいますが、それでは状況が改善されないし、かえって悪化させてしまう。
高嶋 状況を良くしたいからキレるのに、効果ナシなんてもったいない。怒りっぽい人の脳の中では、何が起こっているの?
中野 彼らの場合、怒りの感情を抑制する「前頭前野」の働きが鈍くなっているんです。飲酒や睡眠不足などの生活習慣や加齢によって衰えるものなので、年齢を重ねると気が短くなるのには、ちゃんと理由があるんですよ。
高嶋 なるほどね。