◆上手に距離を置くにはどうすれば?

では夏美さんのような立場の人が、ストレスなくママ友たちとつきあうにはどうしたらいいのだろう。情報リテラシー教育に詳しい、ITジャーナリストの高橋暁子さんに聞いた。

「快適なつきあいや心地いい距離感は、人によって違います。大切なのは自分でコントロールすること。SNSがストレス源になっているなら、そこでの繋がりを断つのも、ひとつの方法です。ただし日ごろから直接顔を合わせる相手の場合、そのことがバレると関係がこじれてしまうので、上手に距離を置く必要があります」

高橋さんが勧めるのは、普段はメッセージの通知をオフにして、意識しすぎないこと。そして必要な時だけ繋がり、グループ内のやり取りが延々と続く場合は、用事を作って離脱するのが有効だ。その時、離脱することを事前に宣言することが、揉め事を起こさない秘訣なのだという。

「お姑さんに用事を頼まれた、お客さんが来たなど、理由は何でもいいんです。とりあえず、一時スマホから離れることを先に通知しましょう。『スマホを機種変更するので、しばらく連絡がとれなくなります』と一言入れて、さりげなくグループから抜けるのも手ですよ」

ネット上の交流も、根底にあるのはリアルでの人間関係。現実のつきあいがきちんとできていれば、大きなトラブルは起きない、と高橋さん。

「なかにはすぐに返信しないと機嫌が悪くなる人もいますが、そういう人には会った際に『私はSNSが苦手で、日に1、2回しか見られないの。返事が遅くてごめんね』などと伝えておく。無視されているわけではないことがわかれば、相手も嫌な気持ちにはなりません。またフェイスブックやインスタグラムは無理してまでやるものではないので、しんどくなったら休んでください。また楽しみたくなった時に再開する。投稿のチェックは夜寝る前だけにする、など、時間を限定するのもいいですね。そして本当にこの先もつきあいたい相手かどうか、よく考えてから繋がることが大切です」

SNSは、あくまでも現実世界の補完ツール。自分主導でストレスのない使い方をしていきたい。