「20年が底ってことは僕、今年は世界に行くんだろうか。」(大吉さん)

大学3年生の鞄持ちからはじまった

清水 2人は落研出身なんだよね。意外だった。

大吉 雑誌を見ると、関東の大学にはお笑いサークルがあるって書いてあったんです。でも福岡大学にあるのは唯一、落語研究会だけ。

清水 違うね、何かが違う。(笑)

大吉 そこに華丸さんもいて。楽しそうなところかと思いきや、これがめちゃめちゃ厳しかったんですよ。

華丸 新入生歓迎週間のときは、みんなで楽しそうにボウリングしてる写真とか、キャンプ行ってる写真とか見せられるわけです。だけど入部を決めた初日に、いきなりくじ引き。くじ引きで「お前はあいつの弟子」って決められて。

清水 あいつって?

大吉 3年生の弟子にさせられるんです。

華丸 で、名前つけられて。

大吉 師匠の鞄持ちからはじまる。

清水 3年生の?

大吉 はい。プロでもなんでもない相手の。(笑)

清水 あははは。じゃあ、落語は一通りやったんだ。

大吉 師匠に稽古をつけてもらうんですけど、師匠もはっきり言ってずぶの素人やから。

華丸 しかも、九州の学生やからそもそも関西弁をしゃべれない。

大吉 「『なんでやねん』じゃないよ、『なんでやねん』だよ」とか(笑)。動画もない時代だし、誰も正解がわからないんです。代々のOBが、落語会に行っては無断録音して溜めてきたカセットテープしかない。