「改名したら、2年以内に東へ向かってください」
清水 私ね、ずっと前から聞きたかったことがあって。上京前の2人は福岡の吉本興業にいたわけだけど、事務所の女性から芸名を変えるようにアドバイスされて、その通りにしたら売れたっていう有名なエピソードがあるでしょう?
華丸 近藤さんですね。
大吉 事務所のパートだった方です。
清水 その人は占い師さんなの?
大吉 いえ、本業ではないです。ただ、お父さんは神社の宮司さんらしくて。僕らは最初、屋号のない「華丸・大吉」の芸名でスタートしてるんです。でも吉本には「7文字の芸名だと売れる」というゲン担ぎがあったので、それぞれの名前に3文字を加えた「鶴屋華丸・亀屋大吉」に変えて、13年か14年くらい活動してました。そんなとき、そのパートの近藤さんが事務所を辞めることになって。
華丸 近藤さんは、とにかく僕らのことが大好きだったんですよ。「1つだけ聞いてほしいことがある」って言うのでなにかと思ったら、「2人とも名前が悪すぎるから、このままじゃ売れません」って。
大吉 そのとき授けてくれた名前が「博多華丸・大吉」で、「改名したら、2年以内に東へ向かってください」って言われたんです。
清水 しかし、彼女の言うことを聞き入れたあなたたちも人柄が素直だね。けっこうな賭けだから。
華丸 もちろん、近藤さんのアドバイスにそのまま従ったのではなくて、いろいろな事情が積み重なって、結果的に東京に行くことになったわけですけど。
大吉 ただ、重い腰を上げるいいきっかけにはなりましたね。で、上京した2005年に、近藤さんが「とにかく華丸さんが大変な運を持ってるから」って言うんですよ。本当かなと思っていたら、年明けてすぐに華丸さんが「R-1ぐらんぷり」で優勝して。
清水 わあ!
大吉 数年後、「今年は大吉さんがめちゃめちゃいいです」って言われて。そしたら『アメトーーク!』の「中学の時イケてない芸人」という枠で、僕がちょっとブレイクするっていう。
清水 近藤さん、すごい。いろいろな人に「連絡先、教えて」って頼まれたでしょう。
大吉 聞かれましたね。でも本業の方じゃないですし、結局のところ我々のファン、というところがデカいんですよ。いまもお世話になっていて、頭が上がりません。