お笑い続けるか大学辞めるかの2択しかなかった

華丸 いま思えば、全員が18歳から20歳やもんね。で、当時は僕も落語の面白さがよくわかってなかったから、古い話より三枝(現・文枝)師匠の新作落語のほうが面白いと思っちゃうじゃないですか。

清水 だって落語が目的で入ってないしね。

華丸 だけど、新作落語なんか稽古しようもんなら、ものすごく怒られるんですよ。2年あたりが「あいつ、新作するぞ!」「下剋上だ!」みたいな感じで騒ぎ出すんです(笑)。結果、学内の芝生で正座させられて、「お前、1年のくせに新作なんて早いやろう!」って。

大吉 三枝一門の誰かに怒られるならまだしも(笑)。僕らは1年のなかでも目立つ2人だったので、先輩たちを見返したいと思うようになりました。そんなとき、福岡にはじめて吉本ができたんです。

華丸 とりあえずオーディションに出てみたら、僕らは4位で。

大吉 優勝した(カンニング)竹山の当時のコンビと、準優勝のコンバットっていうピン芸人だけが吉本に入ったんです。でも、その3人だけでは公演すらできないことに気づいたんでしょうね。あとから連絡きて、「やる気ある? あるなら明日からおいで」って。

清水 ずいぶん軽い誘いだね。

大吉 こっちも軽い気持ちで行ったのに、抜けられなくなりました。

華丸 だって、旗揚げ公演の6人のコントの台本がもうできてたんですもん。

大吉 「大学の授業があるんで抜けます」とか言ったら、「なんじゃと? あほんだら!」っていきなり怒られて。

華丸 もう、お笑い続けるか大学辞めるかの2択しかなかった。いま思うと、落研と同じやったね。

大吉 最初は楽しそうなところだけ見せられてね。

華丸 吉本にはじめて遊びに行ったときはコーヒーが出て、メロンなんかも出てね。なのに、次の日から「あほんだら」って怒られるっていう。(笑)

後編に続く