疑いがある場合は生育歴と特性のチェックから

発達障害を疑って医療機関を受診された18歳以上の方には、初診時に、症状が小学校に上がる前からあったかどうかなどの生育歴を確認します。親御さんに同行していただき、子どもの頃の様子を聞くことも重要。もしくは、通信簿の担任の先生のコメント欄などを参考にします。

次に、ASDやADHDのチェック項目に回答していただきます。さらに、知的能力や認知能力をはかる成人用の心理検査や、発達障害以外の症状がある場合などは脳波やCTの検査も同時に行い、現在の症状について問診をしたうえで診断します。

ASDチェックリスト

下記の項目に当てはまるものがあり、日常生活でトラブルが生じている場合は、
専門医に相談してみるとよいでしょう

●こだわり行動
□ 物の収集癖がある
□ 好きなことだけに集中してしまう
□ 気になることを何度もしつこくくり返す
□ 順番や道順にこだわる
□ 予定が変わったり、行動を妨げられたりするとパニックを起こす
□ 過去のことにとらわれ、その通りでないと行動できない

●感覚過敏・過鈍
□ 突然の大きな物音が苦手
□ 痛みに鈍感
□ 話し声を雑音に感じる
□ 音、光、においなどがとても気になる

●社会的なやりとりの障害

□ 他人と目を合わせられない
□ 名前を呼ばれても反応しない
□ ひとりでいてもさみしがったりしない
□ 相手に合わせて行動することができない
□ 状況を読み取って行動することができない
□ 自己主張が強く、一方的な行動が目立つ
□ 自分がわかっていることは相手に説明しない

●コミュニケーションの障害

□ 表情から気持ちをくみとれない
□ たとえ話を理解するのが難しい
□ 難しい言葉や漢字・英語の表現を好んで使う
□ 言外の意味は理解しにくい
□ 代名詞を理解することが難しい

※宮尾益知監修『この先どうすればいいの? 18歳からの発達障害』より改編