この人は何のために生きているのだろうか
この年になれば貯蓄もそこそこあるのが普通の家庭というものだろう。しかし、わが家の夫は賭け事ですべてを使い果たしてきた。一方、私には、20年の会社勤めでコツコツ貯めてきた微々たる貯金があったのだ。でもそれも4年前の東日本大震災で自宅が半壊し、家の補修代に消えてしまった。こんなはずではなかったのに。
夫の年金は、私のパートの給料と同じくらいしかない。私も一部年金を受け取っているので、収入は私のほうが多い。文句など言える立場ではないはずなのに、夫はやれ「酒のつまみがない」だの「おかずが少ない」だのと偉そうにぬかす。毎日食べて寝るだけの夫。
この人は何のために生きているのだろうかと疑問に思う。「最近太ったんじゃない? 体動かさないと」と私が言えば、「オレに命令するヒマがあるならもっとマシな料理を作れ。二度と言うな!」と逆ギレ。一度キレると手がつけられない。だからそんなときはサッと夫のそばから離れ、雑用をして気を紛らわせている。
同居の義父は去年亡くなり、現在は義母と3人暮らし。昔は私も、夫がダメになったのは義父母の育て方が悪かったからだと夫に同情したこともあった。けれど、たとえ育て方が悪かったにせよ、60も過ぎてやりたい放題の《大きな子ども》でしかいられないのは、自分の責任のはずだ。