「また、そんないらんことして」

そうした経験から和美さんは、子どもの具合が悪くなったときは「保育所に連れて行く」とをつき、車で30分のところに暮らす容子さんに預けるようになった。そんなふうに、姑に内緒で実母に助けを求めたことは数え切れない。

「お姑さんは孫たちが皆、一緒に暮らしている自分より私たちのほうになついているのが気に入らず、わが家に遊びに行くと言うと、不機嫌になって感情的に娘に当たるらしくて」

だから孫が遊びに来た帰り、容子さんの夫、孫にとっては「じいじ」が車で送っていくのが常だが、家の手前で孫たちを降ろし、決して玄関前には停めない。そんな状態がもう何年も続いている。

「この春、一番下の孫が中学に上がったので、通学用の自転車を買ってやったんです。夫の車に自転車を積んで孫を送って行ったとき、運悪くお義母さんに会ってしまって。そのときのいいぐさが、『また、そんないらんことして』ですよ。『ありがとう』のひとこともないんですから」

今後も、孫との時間は大事にしながらも、「あちらのお義母さんとはかかわらない」と、容子さんはあらためて決意したという。

もともと距離のある義理の家族。それをつなぐ孫の存在によって、結びつきが深まることもあるけれど、新たな関係の中で、トラブルのタネも増えていく——これもまた現実のようだ。