「お父さんと一緒に、ここで暮らさないか」

「お父さん、楽しそうでよかった」

と伝えると、父はじっと私を見て言いました。

「お父さんと一緒に、ここで暮らさないか」

私は、少し考えてから答えました。

「お母さんのことが気になるし、やっぱり帰る」

すると、父は寂しそうな顔で、

「そうか……じゃあ、送るよ」

と、そっと私を抱きかかえたのです。そこでハッと目が覚めました。

私はただ、父に会えたこと、父が見守ってくれていること、父が楽しそうだったことが嬉しかった。なぜ私を迎えにきたのか……それはわかりませんが、きっとまだ子どもの私を不憫に思って会いにきてくれたのだろう、と前向きに受け止めました。

あの宴にいたのが七福神だと知ったのは、後のこと。

「ビッグな人たちとお酒を飲めて幸せやん!」

と、私は天国の父に語りかけました。