実の親だから遠慮がないのか

しかし、その後も私たちが手を貸さざるをえない事態が次々と起こる。娘は研修医期間中に第二子を身ごもり、出産。それでも学業を続けたいと言い出して大学院に進学したが、翌年、また第三子を身ごもったので、私は本当にビックリした。もしここが秋田県であれば、なまはげの格好をして「もう子どもは作ってねぇだろうな」と、夜な夜な娘の家に確認しに行ったかもしれない。

3回ともお産は軽く、陣痛の2、3時間後に出産という超安産だったが、そのたびに出産から退院までの数日間、わが家で孫たちの面倒をみなければいけないのには難儀した。

娘はそれなりに頑張っていたと思うが、自らは何ひとつ諦めることなく、自分の手に入れたいもの、夫、子ども、キャリアをすべて獲得してきた。それができたのは、私たち夫婦や周りの人々のおかげだ。見返りを求めるわけではないけれど、私たちにも仕事がある。せめて感謝の気持ちを示してほしい。相手が姑なら少しは遠慮するのだろうが、実の親にはそれがないのだろうか。

大学院に進んで4年目、最終学年の娘は第四子を妊娠した。このとき、またも事件が起こった。まだ2歳の末の子が炊飯器にまたがって大やけど。娘が入院に付き添うため、私たちは孫2人を1週間預からなければならなくなった。さすがにこのときは、お姑さんにも手伝ってもらったが……。