私の注意に娘の顔は強張って

4人目を出産し、娘は無事に博士号を取得した。修了式には、生後2ヵ月の第四子を私が抱っこして参列した。このあたりまでは娘もなんとか余裕があったが、大学病院の職員として採用されてからは、ますます子育てや家事に手が回らなくなっていった。

ある日のこと、いつものごとく洗濯をするよう渡された脱ぎっぱなしの衣類の袋に、差し入れたおかずの保存容器が突っ込んであったので、私はカチンときて注意した。すると、娘の顔がたちまち強張り、「これからは、どうしても助けの必要なときだけ言います!」とのたまったのだ。

だが、そうはいかない。私たちが育てた一番上の孫はもう小学生で、下の保育園児3人よりも手がかかる。塾で出された宿題をみてやるのも、長い休みの間の弁当作りも、すべてこちら任せだ。

婿も婿である。外科医の仕事は忙しく不規則な生活だとわかっているが、顔を合わせたときくらい、「いつもお世話になっています」のひとことが言えないものか。若くても一家の主ではないか!