「あほや、この2人」と笑ってほしい

ともこ 漫才は自分らの年齢に応じて少しずつ変わってきたけど、作り方は同じ。私らが見たり経験したりした面白いことを、みんなにも聞いてもらいたいというのが基本。だからリアリティはめちゃ大事にしてる。たとえば「キャンピングカーを買いに行く」というロケをしたのに、漫才で「車、欲しいわ〜」と言うたら「キャンピングカー、買ったんちゃうの?」ってなるやん? 架空の状況を設定した漫才もあるけど、私らは自分たちの体験や感覚を漫才にしてるから、それはできない。

やすよ 最近は、お笑いが難しくなってきてるなあと感じる時があるわ。ネットを見てたら、みんなすごい深読みしたり分析したりしてるよ。「あの場面のともこのボケはこういう計算のもとで」とか。

ともこ 計算してへんから!(笑)

やすよ 逆に言うたら、できひんよね。場の空気もお客さんも毎回違うから。

ともこ 少なくとも私らの漫才は難しいことは考えず、「あほや、この2人、何しゃべってるねん」と笑ってほしい。年齢や経験によって自分らが変わったからネタも変わったけど、スタイルを変えていこうと思ったことはないし、これからも変えるつもりはないから。

やすよ これからどんな時代になるのかわかれへんけど、私らにとってはこれまでの27年があったからこそ「これから」もあると思う。そこは大事にしていきたいね。

ともこ うん。上の世代の人らのバイタリティやハチャメチャなところは見習いつつ、若い子らのさわやかさや冷静さも学びたい。

やすよ 漫才はたぶん、自然にスピードを変えていったりするやろなあ。スピードのある漫才は若い子がやっていくから、うちらは自分たちに無理のないスタイルを探していこう。無理したら、お客さんがそれを感じてしまうから。たぶん、ちっちゃいおばあちゃんになっても漫才やってると思う。

ともこ ちっちゃくはなられへんで。

やすよ なるんちゃう? 背も縮んでくるやろ。

ともこ 背が縮んだぶん、横に広がるやん。(笑)

やすよ 知らんやん!(笑) とにかく、その時々の年齢のスタイルを探せたらいいなと。

ともこ やすよはそういうところをやってくれるから心強い。よろしくお願いします!

海原ともこさん