唾液不足が進んでドライマウスの状態になると
しかし、唾液力は加齢とともに低下していきます。たとえば最近、「口の中が乾きやすい」「しょっちゅう水分を摂っている」と感じることはありませんか? これは唾液腺が衰えて、唾液が不足している状態です。
唾液は耳の下、あごの深部、舌の下部の3ヵ所にある「唾液腺」から口の中へ分泌されています。唾液腺を構成しているのは非常に繊細な細胞で、再生力がほぼありません。老化とともに脂肪へと変化してしまいます。
さらに唾液不足が進んでドライマウスの状態になると、食物が飲み込みづらくなり、舌や口の中を噛んでしまうことが増える。また、むせたりが起こりやすくなったりするため、とくに高齢の方は誤嚥性肺炎の危険も高まります。そのほか、更年期や服用している薬の副作用、シェーグレン症候群などの病気も、唾液腺に悪影響を及ぼすことに。
唾液の質が落ちて有用成分が減り、口内を浄化する作用も弱まると、細菌が増えて虫歯や歯周病などの病気が起こりやすくなります。最近では、歯周病が糖尿病や心臓疾患、認知症などの発症に関わっていることも、研究で明らかになってきました。このように唾液力は私たちの「生活の質(QOL)」を大きく左右するのです。
唾液力の中でも質については自分で測定するのが難しいため、左に測定法を用意しました。ぜひチェックしてみてください。「自分の唾液力は、意外と弱っていた」と気付く方が多いかと思います。