舌みがき&マッサージ、エクササイズも効果あり
唾液力が低くなった状態でも、ケアによって、ある程度回復させることが可能です。ここでは自宅でできる方法をお教えします。
朝晩に歯みがきを行うことが大前提ですが、そこへ「舌みがき」を加えましょう。舌についた汚れは舌苔(ぜったい)と呼ばれ、細菌や剥がれた粘膜が蓄積したもの。湿気も栄養も豊富な、細菌にとっては楽園です。舌みがきを週1~2回行えば、細菌の増殖が抑えられて唾液力もアップするでしょう。「舌クリーナー」などの名称で専用の道具が市販されていますから、ドラッグストアで探してみてください。
「量」を増やすには、唾液腺のマッサージがおすすめ。やり方は簡単です。耳の下にあるくぼみ(唾液腺)に3本の指(人差し指・中指・薬指)を優しくあて、円を描くようにゆっくり回すだけ。じわっと唾液が湧いてくるのがわかると思います。食事の前や、口が乾いたと感じた時に行うといいですね。
咀嚼する動きは唾液腺のマッサージにもなるので、食事はよく噛んで食べましょう。スルメなど適度に硬いものや歯ごたえのあるものを食べる、キシリトール配合のガムを噛むのも効果的です。
「質」を上げるためには、食生活の改善と軽い運動が欠かせません。食品としては、納豆や味噌、ヨーグルトや乳酸菌飲料などの発酵食品、大豆食品。そして根菜類や海藻などの食物繊維が豊富な食材が、IgAを増やすのに非常に有効です。
とくに乳酸菌を含む食品は、できるだけ毎日継続的に食べること。私は風邪が流行り始める冬の2~3ヵ月前からは意識して摂っています。口内環境の改善には時間がかかりますから、気長に続けてください。
最後に、ぜひやっていただきたいのが、ストレッチやウォーキングなどの軽い運動です。なかでも、上のようなストレスや肩こりを緩和するエクササイズが唾液力アップに効果的。1日7000歩のウォーキングが唾液中のIgAの値を上げるという報告もあります。
「もっと運動すれば、IgAがさらに増えるかも」と思われるかもしれませんが、それは間違いです。ランニングなどの激しい運動は、体に害を及ぼす活性酸素を増やすため、唾液力には逆効果ですからご注意を。