大内転筋も鍛え、尿もれ予防を
田中さんがすすめる正しい歩き方は、体に負担をかけずに、大殿筋をしっかり使える「小股歩き」です。
「大殿筋を使うには、前に出した足が着地するときに膝を曲げないようにし、後ろの足を蹴り出すときに母趾の指腹を意識すると自然に小股になります」
また、正しい歩き方をすることで、大殿筋のみならず、首から腰にかけての脊椎を支えている「多裂筋」、ももの内側にある「大内転筋(だいないてんきん)」、すねの後ろにある「ヒラメ筋」など、姿勢の維持や安定した体の動きに欠かせない筋肉も鍛えられるそう。
「大内転筋が衰えると、骨盤のゆがみが引き起こされ、体のバランスが崩れます。鏡の前に足を揃えて立ったとき、ももの間が大きく空いていれば、衰えている証拠です」
大殿筋や大内転筋をしっかり鍛えておけば、尿もれ予防にも効果的、と田中さん。また、歩くことは骨に刺激を与えるので、骨粗しょう症予防にもなるといいます。
「あまり気負わず、近所を散歩するぐらいの気持ちではじめてみて。小股歩きは、思ったよりも疲れず、長く歩けるという実感が得られると思います。少しずつ長い時間にチャンレンジしてみるといいでしょう」
体に負担をかけないためには、シューズ選びも大切。田中さんは、大きすぎる靴を履いている人が多いと指摘。靴の中で足が固定されないと、足裏のアーチが崩れ扁平足になりやすいと注意します。
「足のサイズだけでなく、幅や甲の高さも合っているかがポイント。判断に迷う場合には、プロのアドバイスを受けてみるのも手です」
次ページからは、「正しい歩き方」を詳しく紹介します。