柔軟に変化していく家族・夫婦の形
鏡 これからは、個人の生活スタイルも変化していきそう。昨年からのステイホームで、住まいの環境に対する考え方も変わりました。
水晶 東京の人口が四半世紀ぶりに減ったそうですね。都心から地方に移住したり、地方のセカンドハウスと都会を行き来したり。
鏡 家族の形も、地の時代は地縁と血縁に縛られていたけれど……。
水晶 これからは血縁に限らず、「同じ団地に住む人みんなが家族」といったスタイルや、自分の研究や技術、あるいは《思い》を受け継いでくれる人たちと家族のようなつながりをつくっていくのが当たり前になるかもしれないですね。
鏡 結婚制度だって、生涯一人のパートナーと過ごすスタイルはマッチしなくなるかも。寿命も延びているので、その時々のライフスタイルに合わせて、パートナーを替えていく人は増えていきそう。
水晶 夫婦間の役割も変わっていくんじゃないですか。それこそ以前は、「妻だから」「夫だから」という役割から自由になりにくかった。私自身も含めて、「女だったら毎朝ちゃんと起きて、朝ご飯をつくらなきゃ」という価値観に縛られて生きてきたと思うんです。でも、昨年ヒットしたドラマ『私の家政夫ナギサさん』なんて、バリバリ働く女性と家事が得意な男性がベストカップルになる。世の中はどんどん進んでいると感じます。
鏡 働く女性が増えている時代ですから、毎食一汁三菜ってありえないですよ。そもそも、こんな立派な家庭料理をつくる国はほかにない。料理研究家の土井善晴さんも「一汁一菜で十分」とおっしゃっているし。もっと自由に考えたほうが今っぽいですね。