上:トウモロコシの葉は乾かしラップ代わりに。お弁当のおにぎりを包んで/下:庭のへちまをタワシに。柏餅や笹団子の葉も食べ終えたら食品を包むのに使う。卵の殻は台所のシンクの研磨剤ほか用途いろいろ

今楽しいのは、自家製の化粧品を作ること

生まれ育った家には普通に家電がありましたが、隣に住んでいた大正生まれの祖母は、資源の無駄づかいを嫌い、何でも大切にする人でした。生ゴミを庭に埋めて草木の肥料にし、家にあるもので工夫する暮らし。夜も手元が暗くなるまで照明をつけないんです。そんな祖母の暮らしが不思議でした。

でも大学で環境問題を学んだことをきっかけに、祖母のような資源を無駄にしない生活をしたいと思うように。それで、大学卒業後は、古いアパートで一人暮らし。今の生活の始まりです。最初は手探りで、どうやって家電に頼らず生活ができるか、日々実験でした。それが楽しくて、結婚して子どもが生まれてからも、その暮らしを続けている感じです。

子どもがまだ赤ちゃんだった頃、連れて歩いていると、よくご近所のお年寄りが声をかけてくれました。仲良くなった人に、「冷蔵庫がない時はどう保存していたのですか?」「戦中戦後のものがない時代は、どんな工夫をしていましたか?」と聞くと、いろいろと教えてくれました。トウモロコシの皮を乾かして細く裂いて紐の代わりにしたとか、野菜を干して保存食にしたとか。

そんなお話をもとに自分でもやってみるのですが、最初はうまくいかなくて、食べ物が傷んだり、湿気が多い日に野菜を干して失敗することも。でも、失敗の原因を分析して、また工夫をして挑戦するうちにだんだんうまくできるようになる。それが嬉しいんですよね。

今、いちばん楽しいのは、自家製の化粧品を作ること。これもご近所のおばあちゃんに聞いたのですが、卵の殻の薄皮やゆずの種などを焼酎に漬けたものを、化粧水にするのです。教えてくださった方は80歳を過ぎていますが、シミやシワも少なくて本当にお肌がきれいなんですよ。

ほかには、ミツバチを飼育して、巣から蜜蠟をとって保湿クリームも作っているのですが、まだ毎年安定してとれないので、実験は続きます。

卵殻膜やヨモギ、ドクダミを焼酎に漬けた化粧水原液、ミツバチの巣の蜜蠟はクリームに