ケアハウスに入居したけれど

一人になった義父が通うようになったのが、デイサービス。車で迎えに来てくれて、週2回ケアハウスに通います。妻を亡くした寂しさがまぎれるのでしょう。デイサービスから帰ってくると楽しそうに話をしてくれました。

ある日、義父は突然「あのケアハウスに入居したい」と言い出したのです。私たちは知人に頼んで手続きに奔走。知人へのお礼や荷物の移動と、バタバタしながら入居を完了させました。この上なく良い施設に、毎日の美味しいご飯、楽しいイベント、優しい職員さんと、私たちの気分も高まりました。

しかし義父の性格上、集団生活は無理でした。案の定、問題を起こしたのです。女性部屋への勝手な入室、注意した職員さんに対する暴言……。何回注意してもルールを守りません。

あげくの果てに「好きな人ができた。一緒の部屋にしてほしい!」と要求。相手の女性にはまったくその気がないのに、「お互い好いている」と思い込む義父。「一緒になる約束をしたんだ!」とヘンな妄想まで抱いているのです。ケアハウスの施設長さんと相談した結果、退居となりました。

入居5ヵ月という短い期間で退居することになった義父。その思い込みはどこから来るんだろうと、ホトホト疲れ果ててしまいました。でも本人に反省の色はまったくありません。