奥様と結ばれるまでのなれそめ

清水 博士って、オウム真理教にいた医師と同級生じゃなかった?

博士 中川智正? そうだよ。麻原彰晃の主治医と甲本ヒロトは中学の同級生。

清水 そういえば、昔ブルーハーツのライブを一緒に観に行ったよね。渋谷公会堂の2階の一番前で。

博士 観たー! 俺さ、その帰りにミッちゃんと食事行くことを考えて、めっちゃドキドキしたのよ。うわあ、急に思い出してきた。

近田 かわいいね。いい話だね。

博士 その頃の俺は、女の人と出かけるとか、そういう免疫が一切なくて。ライブのあとも、どうしていいかわからなかったんだよ。

清水 びっくり。じゃあ、そのあとで百戦錬磨になったのね。

博士 いや、結婚してはじめて、女性と映画を隣で観られるようになったの。それまでつき合ってきた女性とは映画館で別々に座って、別々に帰ってきて、家で「どうだった?」って話す感じだったから。

近田 奥様とはどういういきさつで結ばれたんですか?

博士 カミさんは大学卒業時、海外にヒッチハイクの旅に出たんですよ。そしたら一緒に行った友達が、スペインでモーマスと……、

近田 渋谷系のミュージシャンね。

博士 出会って、恋に落ちたの。当時、俺は合コン相手を募集するサイトをつくってて、そこにカミさんの友達が連絡してきたわけ。「歌う女、歌わない女」って題が気になって読んだら、「私はいま、モーマスと暮らしています。でも一緒に旅行した友達は、博士のことが好きなのに、すでに結婚が決まっています。一度も博士に会えないまま結婚するのは、彼女が『歌わない女』だから仕方ないことかもしれないけど、私は『歌う女』なので彼女の存在を知らせたい」みたいなことが書いてあった。

清水 それで会いに行ったんだ。

博士 だって最後に「彼女は高校時代から絶世の美女として有名でした」って書いてあったんだもん。