「還暦にしてすでに母より長く生きているのだから、これからはおまけの時間。人様が喜ぶように生きたいと思うようになったのです。そこから人生が動き始めた気がします」
9年前に18歳年下の書道家・中澤希水さんと結婚し、世間を驚かせた熊谷真実さん。昨年の夏には夫の故郷である静岡県浜松市に夫婦で移住しました。しかしその半年後、離婚という報が……。浜松の家にひとりで暮らす心境を聞きました(構成=丸山あかね 撮影=大河内禎)

人の役に立つ生き方をしよう

現在、私は静岡県浜松市で一人暮らしをしています。周囲の人たちや、YouTubeで私の弾けた動画をご覧になった方々から、「真実ちゃん、大丈夫?」とか「痩せ我慢してない?」といったお声をいただくのですが、私はすこぶる元気です。毎日が楽しくてしょうがないです。

約9年にわたる結婚生活は本当に楽しかった。中でも希水さんが故郷である浜松へ連れてきてくれたことには、心から感謝しています。この地で素敵な出会いがたくさんありました。一人になっても、浜松の人たちとの出会いのなかで、ほんとに私、支えられて生きてるなあって思います。

移住のきっかけは、新型コロナウイルスでした。2020年の春に上演予定だった主役の舞台が延期になってしまい、しばらくはテレビや映画や舞台でこれまで通りに活動するのは難しくなると感じました。

そんななか、東京に住んでいた希水さんの妹や親戚夫婦とも相談した結果、みんなで浜松に戻ろうという決心をしました。そして晴れて去年の8月、正式に浜松の住民となったのです。

その年の3月に還暦を迎えた私は、「明るく楽しく、人の役に立つ生き方をしよう」と自分のなかで心に決めていました。還暦にしてすでに母より長く生きているのだから、これからはおまけの時間。人様が喜ぶように生きたいと思うようになったのです。そこから人生が動き始めた気がします。