「人生は、考え方次第で幸にも不幸にもなる。だったら幸せな捉え方をしていたいなと思います。」

人生に試練なんてない

時折、「離婚したのに東京へ戻らないの?」とか、「別れた人が暮らす町によくいられるね」なんてことをささやく人もいるようですが、そういう時、私はこう思うのです。人は人とだけ生きているわけじゃないでしょう。風や空気や土や緑、要するにそこの風土と生きている。つまり私は浜松という土地に恋をしてしまったのです。

元来、私は尽くすタイプ(笑)。浜松のために私にできることがあるなら、ぜひやらせて~、って気分になります。

それにしても何でこんなに? って恋心の源を探ってみたら、幼少期に行きつきました。うちは両親が商売をしていたこともあって、私たち三人姉妹は長い休みのたびに、福岡県添田町に暮らす父方の親戚の家に預けられていたんです。大自然のなかで培われた感性が私の根っこに今もあって、だから浜松の自然に触れた時、「あー、なんか落ち着く」って思ったのでしょう。

両親の愛という太陽をいっぱい浴びて育ったから、つらいことがあっても明るいほうへ伸びていく。しかも浜松は東京より日照時間が長いので、私の明るさが増幅しているのかもしれません(笑)。よかったなあ、救われたなあって思うんですよ。

生きていると時々、ビックリするようなことが起こるんですよねぇ。何が起きても不思議ではないのが人生。右往左往しても戻れる自分でいたいと思う今日この頃です。

最近私は、人生に試練なんてなかったんだなって思います。つらい経験にも意味があるんだなと。例えば母が57歳の若さで亡くなった時、こんなにつらいことがこの世にあるのかと思うほど悲しかった。その悲しみを何十年も引きずっていた気がします。

でも今になってみれば、私は親の介護の心配をすることもなく自由に暮らしている。母はもしかしたら子ども孝行だったんだってポジティブに捉えることができているわけです。人生は、考え方次第で幸にも不幸にもなる。だったら幸せな捉え方をしていたいなと思います。