【不安2】「死ぬまでひとり暮らし」にかかるお金

「要介護状態になった時」から「ひとりで死ぬ」まで、どのぐらいのお金を用意しておくべきなのでしょう。

 

⇒介護費用は 病院>施設>自宅

24時間誰かについてもらうとなるとお金がかかりますが、定期的に訪問介護に入ってもらうだけならそれほどかかりません。そして、いろいろな方にお話を伺うと、たとえ最末期でも、いつも人が家にいるのは鬱陶しいという方が多いようです。

使い勝手がいいのは、地域密着型サービスの「定期巡回・随時対応型訪問看護介護」です。1日に数回入ってもらえますし、末期に近い状態であれば頻繁に訪問してもらえます。すべてのサービスを利用する場合、要介護5だと支給限度基準額の約36万円。自己負担額はその1割です。

今、個室の特別養護老人ホームは月額14~15万ほど。加えて介護用具などの費用もかかるので、月額20万円ほどの負担になります。ですから、家で過ごすほうがずっと安くあがります。

ひとりではおいておけないと心配して、家族が施設を選ぶケースが多いようですが、結論から言うと、死ぬまでひとり暮らしを続けることは可能です。ただし、それも介護保険あってこそ。

ところが今、介護保険の使い勝手がどんどん悪くなっています。

政府が考えているのは、介護保険の利用抑制です。年金などの合計所得金額が220万円以上の人は2割負担、340万円以上だと3割負担に引き上げられました。要介護5なら、36万円の2割は7万ちょっと。それに医療費が加わると、年金だけで暮らしている人には払いきれないかもしれません。また、近い将来、要介護3~5の人しか生活支援を受けられなくなる可能性があります。

読者の皆さんは、親の介護の際、介護保険のおかげで助かったという方も多いでしょう。でもあなたが要介護になった時は、同じようにはいかないかもしれません。高齢者予備軍が政治に無関心だと介護保険はどんどん改悪されることを、肝に銘じていただきたいですね。