がんに負けるものかという気持ちの源に
猫たちと暮らしはじめて、ケイコさんの暮らしは激変した。
「仔猫の頃は手がかかり、振り回されてばかり。でもそのおかげで、再発に怯えて過ごす暇がなくなりました(笑)。元気だった頃は会社帰りに友人と食事に行くことが多かったのですが、今は直帰。2匹が玄関で待っていてくれるんですよ。『ママおかえり~、ニャ~』って甘えてくるのがたまらない。癒やされるんです。
コンプレックスだった未婚であることも、どうでもいいやって本気で思うようになりました。猫たちにとって自分は絶対的に必要な存在なのだという思いが、がんに負けるものかという気持ちの源になっているのを感じます」
「病気にならなければ、あの子たちと会えなかった」と言って涙ぐむケイコさん。
「結果的に、自分に優しくできるようにもなりました。体を酷使して働くのはやめようと決めたんです。病気という試練が、自分にふさわしい生き方を教えてくれたと思います。今は本当に幸せ。人生、捨てたものではありませんね」