「日本で開催された公演は、すべて行っています。もはや彼を応援することが私の人生の〈メイン〉という感じ。」とミユキさんは語る(イメージ/写真提供:写真AC)
できれば、いつも前向きに楽しく暮らしたい。けれど、そううまくはいかないのが現実です。病気や家族の問題など、さまざまな困難にぶつかったとき、どう気持ちを軌道修正すればいいのでしょうか。体験者のリアルな声にヒントがありそうです。2人目は夫の浮気にショックを受けたミユキさん(59歳・仮名)の体験談です。(取材・文=丸山あかね)

ローリング・ストーンズを追いかけて

「嫌なことは全部忘れて熱狂できる。ミックは私の救世主なの」と興奮気味に語るのは、ミユキさん(59歳・パート)だ。

「初めてローリング・ストーンズを聴いたのは高校時代。以来、ミック・ジャガー命です。理由なんかない、運命の出会いなの。ストーンズが1990年に初来日して東京ドームで開催されたコンサートも、もちろん行きました。私は最後部の3階席だったけど、ミックと同じ空間にいるって思うだけで、気絶しそうだった(笑)」

ミユキさんは大学卒業後、商社に勤務。社内恋愛を経て30歳で結婚し退社した。塾の事務員としてパートで働きはじめたのは、ミックにかける費用を稼ぐためだった。

「日本で開催された公演は、すべて行っています。もはや彼を応援することが私の人生の〈メイン〉という感じ。夫は私が独身時代から追っかけをしているのを知っているから、自分のお金でできる範囲は黙認してくれていました。まぁ、これだけ時間とお金とエネルギーを注ぎ込んできたのだから、もうあとには引けないという思いもあるんですよね」