「こんな立派な戒名にお金を使うくらいなら、生きているうちに使わせてやればいいのに」と悪態のひとつもつきたくなってしまう。この菩提寺は以前から「がめつい」と評判が悪く、私の知人は数年前にこの寺から離檀している。

なかなかそんな思い切ったことはできないので、皆、いろいろと噂したが、本心は離檀できる人がうらやましいのだろう。人間は、自分がしたくてもできないことをできる人が、妬ましくなるのだ。

 

永代供養墓も追加料金が課されて

ところが実は、私の実家の墓でも同じようなことが起きている。昨年、アルツハイマー病になり、1年半寝たきりだった父を看取った後のこと。我が家は女系家族のため、住職のすすめもあって、父を永代供養墓に入れることにした。

戒名のランクは、院号から俗名まで4段階あり、一度つけると格を下げられないと聞いていたので、祖父母よりランクを下げた。にもかかわらず、名付け料が別途20万円、入檀料30万円、年間管理料8万円と、あとからどんどん追加料金がかかり、支払額はあっという間に150万円ほどに膨らんだ。

こうして次々と課金されるから、近頃はまた霊園が好まれるのだな、と遅ればせながら気がついた。叔母に聞くと、「うちは霊園で俗名だし、年間管理料9000円よ」と言う。そんなに大きく金額が違ってくるのか。もっと早く教えてほしかった。