更年期以降は「量」より「質」を重視して

とはいえ、睡眠時間を確保しても、更年期以降は女性ホルモン減少の影響から自律神経が乱れやすく、寝つきが悪かったり、途中で目が覚めたりなど睡眠トラブルが増えてきます。また、高齢になると体が要求する睡眠量が減るため、眠りが浅くなり、熟睡感を得られないと訴える人も。

「睡眠は個人差が大きく、誰もが8時間必要というわけではありません。日中、意欲的に活動できていれば、基本的に睡眠時間は足りています。時間にこだわりすぎるのは逆効果。睡眠の質を高めるために生活リズムを整えるほうが大切です」

人間には、地球の自転周期に合わせ、昼の活動モードと夜の睡眠モードに体を“ギアチェンジ”する体内時計が備わっています。

「毎朝、できるだけ同じ時間に太陽の光を浴びると体内時計がリセットされ、快適な一日をスタートできるでしょう。朝の光は、日中の意欲的な活動を促す神経伝達物質、セロトニンを活性化させます。セロトニンは夜間はメラトニンに変換されるため、自然な眠りが得られるのです」

ほかにも規則正しい食事や、入眠前のリラックスなど、睡眠の質を上げる知恵はさまざまです。睡眠負債を抱えがちな現代社会にあって、自分をいたわれるのは自分だけ。次回「実践編」ではそのノウハウを紹介します。

〈【実践編】につづく〉
「朝昼晩の過ごし方が鍵! 8つの「快眠」習慣をはじめよう」