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自分の最期を考えるとき、ペットのその後のための準備が欠かせない時代になっています。飼い主として実際に行動した人たちに話を聞きました。最後は、ペットと共に入れる施設に入居した人々の体験談です。(取材・文=篠藤ゆり 撮影=本社編集部)

ペット可の《施設》で最期まで

体が不自由になった、認知機能に不安を覚えるようになってきたなど、自宅での生活が難しくなっても、ペットと別れるのはつらい。最期まで寄り添い合って暮らしたい。そう願っても、叶えられる人はまだまだ少ないのが現状。ペットと共に入れる有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅はまだそう多くはないし、特別養護老人ホームとなると、全国で神奈川県横須賀市に1軒あるのみだ。

特別養護老人ホーム「さくらの里 山科」では、2~4階の居住フロアのうち、2階がペットと一緒に暮らせるつくりになっている。10居室1ユニットで、犬が飼えるユニットが2つ、猫が飼えるユニットが2つで構成される。

写真を拡大 「さくらの里 山科」の2階のフロア図。1ユニットあたり最大10人、ペットは5匹が規定

犬や猫は、ユニット内で放し飼いに。ペットとともに入居できるほか、高齢になってペットを飼うのを諦めた人のために、保護犬や保護猫も引き取って職員が世話をしている。頭数は原則として、1ユニットにつき5匹まで。利用料金はペットの有無で変わらず、ペットと入居する際は消耗品や医療費、エサ代などの飼育にかかる実費が上乗せされるだけだ。