捨てられないモノは「埋めて」おく

子どもが実家の片づけを手伝う場合、自己判断で親のモノを勝手に捨てるのは避けてください。持ち物が尊重されるのはその人が尊重されることにつながります。「これいらないよね」という決めつけもNGです。

よくシニアの方から、「服が大量にあるけれど、捨てるのはイヤ」という相談を受けます。そんな時は「どの服が好きか、大好きな順に教えてください」と言うと、皆さん「これとこれと」と楽しそうに選んでくれます。

そのうち20着しかクローゼットにかけられない場合、残りは「埋めておきますね」と言って、段ボール箱や大型のポリ袋に入れて保留状態にしておく。埋めておくだけなので、必要とあればいつでも取り出せます。

そして20着の服がスッキリとかかったクローゼットを見ると、皆さんその景色に感動。ほとんどの人が「もう埋めた服は着ないからいらないわ」と言い出します。同じ理由で、一時的に子ども部屋などに「寄せた」モノも、実際に部屋が片づくと「せっかくきれいになったのに、わざわざ大量のモノを戻すこともないわね」と、処分を決める人が多いのです。

シニアの方々にとって大切なのは、便利さと安全、そして暮らしやすさ。まずは安心して生活できる空間を作り、次にワクワクする場所を家の中のどこか1ヵ所でもいいので設けてください。そして人生を楽しみましょう。それが片づけのゴールです。

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