「人間、壁を乗り越えるだけが成長ではないですしね。やらなきゃいけないことはやるべきですが、全然できないことを無理にやる必要はない」

シュッとしていない安倍晴明を演じます

このたび劇団☆新感線の41周年興行いのうえ歌舞伎『狐晴明九尾狩』に出演させていただくことになりました。僕は陰陽師の安倍晴明を演じます。新感線の舞台への参加は5年ぶり、しかも初めての歌舞伎。これまでになかった主役のキャラクターだと思うので、自由度高く、遊びも入れながら作っていけたらと考えています。

安倍晴明って、なんとなくシュッとしている感がありますが、僕は今回、あまりシュッとさせるつもりはなくて。台本の読み方もイメージの仕方も、役者の数だけありますからね。今は稽古場で共演者と芝居を合わせる瞬間を、緊張しながらも心待ちにしているところです。

晴明と戦いを繰り広げる賀茂利風を演じるのは向井理さん。同じ陰陽師であり、他の人には理解できないことも共有できる唯一無二の友人だった利風が、体を妖狐に乗っ取られたことで晴明の敵になってしまう。

晴明と利風の息もつかせぬシーソーゲームのようなバトルシーンが大きな見せ場になりますが、2人の関係性の切なさが垣間見えることで、結果として1つの青春劇のように見えたらいいなと思っています。

おさむっちがどんな悪役を演じるのか、現段階ではまだ想像できなくて……。彼の《ド悪役芝居》と対峙するのが、今から楽しみです。