「自動運転」モードでお悩みを解決
また、毎年のようにお客様から聞くのが、リモコンのボタンを押し間違えて「暖房がついていたことにしばらく気づかなかった」というお話。最近はシニア向けにボタンや液晶表示を大きくした商品も増えましたが、「お前が間違えたんだろう」「つけたのはあなたですよ」と、夫婦の間で言い合いになることもあるそうです。
そこで私がいつもおすすめしているのは、常に「自動運転」にすること。機種によって性能はさまざまですが、高級ランクのものは、季節や外気温を検知して快適と感じられる室内気温に調整してくれます。これは、以前私が訪ねた町の電器店のおじさんが、「おばあちゃん、とりあえずこのボタンだけ押せばいいからね!」とお客様にアドバイスしていたのを聞いて、ひらめきました。
最近の機種は省エネはもちろんのこと、内部を自動でクリーニングしてくれるもの、風を感じにくい「無風感」を売りにするものなど、百花繚乱。快適さを作る機能が進化しているのに、価格だけで選ばれてしまうのは残念。どう説明したらわかってもらえるんだろう、と日々試行錯誤しています。
販売している立場だから言うわけではないのですが、高級機種にはやっぱり高いだけの「理由」がある。さまざまな機能で温度や湿度の調整もきめ細かくできて快適、電気代も抑えられ、ゆくゆくは本体価格と電気代が相殺されて結局得になるので、お客様には、すこし上のランクの機種も選択肢に入れてみては、と提案することもあります。
これだけ長くエアコンに接し、いくらでも話ができるほど商品知識も蓄えた私ですが、家庭内では一苦労で……。二世帯同居中の80代両親は、何かに熱中すると冷房をつけるのを忘れがち。私が注意すると、母は「二言目には冷房、冷房って!」とムッとし、いつもケンカになってしまうのです。