火災保険金の申請には「り災証明書」が必要(イラスト◎AC)

【2】「焼け太りできる」という誤解

25年以上前、持ち家の方で、2社の火災保険に加入し、それぞれの保険会社に伝えないまま火事が発生、両方から保険金をもらった例があります。いわゆる「焼け太り」です。

しかし今は、「焼け太り」は一切認められませんし、故意にやれば詐欺に問われる場合もあります。認められない以前に、複数契約は発覚します。

火災が発生して、保険会社に火災保険金を申請する場合、火災が発生した所轄の消防署が発行する「り災証明書」が必要になります。普通は1通だけの申請ですから、複数申請がくれば、当然消防署で疑惑を持たれます。

また、火災が発生すると、保険会社は専門の鑑定人に調査をさせますから、現場で鑑定人同士が鉢合わせをしたり、調査の痕跡があったりして発覚することも。

とはいえ、2社に加入することは違法ではありません。2社から下りた保険料の総額が、損害額を超えていなければ問題はありません。

つまり、複数契約しても実際の損害以上は支払われないため、保険料の無駄に終ってしまうことになることは心に刻んでいただければと思います。