災害や事故、介護や相続など、人生には不測のトラブルや、避けられない困難が訪れます。家族や友人のアドバイスでは解決できない問題も。とはいえ、気軽に聞ける弁護士や税理士が身近にいるという方ばかりではないでしょう。専門的な知識を得ることで、冷静な判断で被害を減らしたり、計画的に備えたりすることができます。ジャーナリストとして長年さまざまな現場を取材しているファイナンシャルプランナーの鬼塚眞子さんに、暮らしに役立つ豆知識を聞きました。第1回は「火災保険の基礎知識」です
予想がつきにくい「ゲリラ豪雨」や「線状降水帯」
近年、地震、豪雨、土砂災害など、深刻な自然災害が多発しています。晩夏から秋は台風発生のシーズンです。今年の予測は気になるところですね。
気象庁は8月25日、9月からの向こう3ヵ月の予測として「沖縄・奄美では暖かい空気が流れ込みやすい時期があるため、高いでしょう。北・東・西日本ではほぼ平年並みですが、 暖かい空気に覆われやすい時期がある見込みです。向こう3ヵ月の降水量は、全国的にほぼ平年並みでしょう」と発表しています。
ただ、被害を受けたことのない地域の方が「平年並み」に安心するのは早いというもの。例えば、「ゲリラ豪雨」(気象用語は局地的豪雨)や多くの被害を出した「集中豪雨」「線状降水帯」(積乱雲が直線状に並び、長時間、大雨を降らせる)は、現在の技術をもっても予測がつきにくいと言われています。
なぜ、予測がつきにくいのでしょう。
「ゲリラ豪雨」や「集中豪雨」は積乱雲の発生に関係があります。冷たい空気は下へ、温められた空気は上に移動するため、対流が起きやすくなり、積乱雲が発生。わずか10分程度の短時間で巨大積乱雲が発生することも起こるというのですから、予測には限界があります。
ただ、気象庁も手をこまねいているわけではありません。「線状降水帯」の予測の精度を上げるため、来年度予算の概算要求に、今年度の約4倍の近い額を盛り込みました。すぐに成果が出ることを期待するばかりです。