『カムカムエヴリバディ』で雉真稔役を演じる松村北斗さん(写真提供:NHK)
2021年度後期 NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』に出演する、SixTONESの松村北斗さん。松村さんは、上白石萌音さん演じるヒロイン・橘安子(たちばな・やすこ)の運命を動かしていく、名家の跡取り息子・雉真稔(きじま・みのる)を演じる。今回が始めての“朝ドラ”出演となる松村さんに意気込みを語ってもらった。幅広い世代にインタビューし続けてきたライター・上田恵子が取材現場で見た《松村北斗の誠実さ》とは?

「言っちゃダメだった!?」

「出演にあたってはオーディションを受けました。まず、動画を送っての第1次オーディションがあり、2次で実際に面接。その時『あともう1回くらいオーディションがありそうだよ』とマネージャーさんから言われていたんです。そうしたら数日後に、偶然会ったジャニーズ事務所の滝沢(秀明)くんから『(出演が決まって)よかったね、頑張ってね!』と言われて(笑)」

フライングで合格を知らされてしまった松村さん。彼はまだ、オーディションには続きがあるものと考えていたという。

「『あれっ、聞いてないぞ?』と思いつつ、『ありがとうございます。決まったんですか?』と尋ねたら、『あっ、言っちゃダメだった?』と。僕らにはずっと面倒を見てくれていたマネージャーさんがいるんですけど、『たぶん直接言いたいと思うから、この件はシーッでね』って口止めされました。でも、さすがにシーッはできないですよね(笑)」

『カムカムエヴリバディ』は、大正14年、日本でラジオ放送が始まった日に岡山で生まれた安子、その娘のるい、そしてるいの娘のひなたを主人公とした、親子三代100年にわたるファミリーストーリーだ。松村さんは、岡山弁での演技になるという。

「岡山弁はすごく難しかったです。オーディションの時に1シーン分の台本をいただいていたんですが、それは標準語だったんですね。なので親近感を持てたのですが、いざその役を演じる段階になって初めて、方言や時代背景といった全貌が見えてきて……。オーディションの時とは、役の見え方が大きく変わった記憶があります」