「施設に入れた」という考え方はもはや時代遅れ

あなたも専業主婦の友人との会話にストレスを感じるなら、ご自分と同じく働きながら介護をする人と話す機会を増やしてはどうでしょう。親の介護にもさまざまな選択肢があり、みんな悩んで決めているとわかるだけでも気持ちが落ち着くのではと思います。

一つ、相談内容で気になったのが「施設に入れた」という文言です。私は父と母がお世話になった老人ホームと、現在もおつきあいがあります。

20年前は「家族に入れと言われたからホームに来た」という高齢者が多かったのですが、今は90歳を過ぎてからでも「自分でここに入ると決めた」という人がいるように、自分の意思で入居を選択する人がほとんど。認知症などで自宅介護が難しくなった場合も、施設に入るという選択が最良だから選んだというケースが多いのではないでしょうか。

ですから友人が暗に指摘する「施設に入れた」というネガティブな考え方はもはや時代遅れ。もしそういう言い方をされたら、「私たちはよく考えて決めたの」「母もこういうところが気に入っているのよ」とポジティブな選択であったことを話せばいいと思います。

あなたの話を聞いて、「実は私の親も介護施設を探していて。選び方を教えて」と相談されることもあるかもしれませんよ。

 


【誌上相談室】60歳からの友情、距離感に悩んだら
〈1〉段取りは私任せで、いつも甘えてくる友人
〈2〉乳がんを患った私に対する友人の気遣いが重い
〈3〉コロナ禍で感じた価値観の違いや温度差
〈4〉友を亡くした喪失感とどう向き合えば……
〈5〉親が介護施設に入ることを暗に非難された