はっきり言うのと横柄な態度は違う

夫は、義母を診てくれる医師に対しても横柄な態度をとる。「はっきり言わないと、医者はいい加減な対応をするからな」などと言う。だが、はっきり言うのと横柄な態度は違う。夫は明らかに後者だ。

がっかりしながら私は言う。「お医者さんにきちんと診ていただくためには、こちらの情報を共有して状態をわかってもらうことが大事であって、威嚇する必要はないじゃない」。すると夫は「それは見解の相違や」と。もう話にならない。

私は、義母の認知症の進行を少しでも遅らせるために、できる限り自分で何でもしてもらうよう心がけている。たとえば洗濯。干して、畳んで、しまう。できなくても、促すことが大事だと思うからだ。

ゴミの日も同じ。曜日感覚を持ってもらうために、義母の部屋のゴミは自分でまとめてもらうようにしている。以前は、夫が義母の部屋のゴミを回収していた。でも、義母は寝たきりの老人ではない。そう思い直し、私は義母に声をかけてゴミ袋を手渡すようにしていた。それが最近になって、夫は義母に「自分でゴミぐらい出せ! 声かけられる前に自分でやれよ」と怒鳴るようになってしまった。

デイケアへの文句も多い。最後には「あいつら、いい加減や!」というのがおきまり。意に反することもあるかもしれないが、私が見る限りではみなさん親切丁寧に対応してくれている。夫にとっては、医師も、デイケアのスタッフも、認知症の母も、そんな義母に声をかける私も、すべてが気に入らないのだろう。

夫は小さなお山の大将なのだ。自尊心だけは人一倍強く、自分が正しいと勘違いしている。昔から、その片鱗はあった。ただ私も若く、夫の高圧的な態度を頼もしいと勘違いしていたのだと思う。今から思えば、思い上がりが強く、人を見下すタイプなだけ。何でもまず否定から入る、自信が持てない典型的な人間だ。

義母の病は、私の目を覚まし、夫の本性を見せてくれた。すべてに不満を持ち、横柄な態度をとる夫との闘いはいつまで続くのだろうか。あんなふうになってはいけない。反面教師として学べと言われていると思っておこう。


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