俊恵 パパは日頃からマスクをきちんとつけて、消毒もマメにしていた。外出だって仕事と犬の散歩以外していなかったのにね。

 マスクを外したのは収録の本番中だけ。でもそういう仕事なんだから仕方ない。まさか自分が感染するなんてと驚いたけど、基礎疾患もないし、年齢的にも重症化する可能性は低いのかなと思っていたから、その時は家でゆっくり治すしかないな……という感じだった。

 

翌日呼吸が苦しくなって救急車を呼んだけど

俊恵 その日から自宅でパパの看病が始まった。

 1階に僕が寝て、ママは2階の子ども部屋に。一切顔を合わさずスマホで会話すると決めたものの、LINEで「飲み物をください」と送るのが精一杯。

俊恵 私は呼ばれたら部屋のドアの前に経口補水液を置いて、パパが触ったドアノブや床を除菌スプレーで消毒する、という作業をひたすら繰り返していました。

 翌日の31日に呼吸が苦しくなって、パルスオキシメーター(血液中の酸素飽和度を測る機器)で計測したら、標準値が96~99%のところ、僕は91~92%。この数値がマズイというのは知っていたから救急車を呼んでもらったんだけど、来た時には96%に戻っちゃって。

俊恵 その数値は、けっこう上下の変動が激しいんです。

 そう。救急隊員の方が保健所に相談したら、「80%台にならないと入院できません」と。彼らは「保健所の指示に従うしかないんです、すみません」と謝りながら帰って行かれました。

俊恵 救急隊員の方が帰る際に「どういう状況になったら入院できますか?」と尋ねたら、「何度測ってもメーターが低い数値のままなら肺炎を起こしている可能性があります。その時は僕らを呼んでください」と言われて。でも今となれば、その時点でもう肺炎を起こしかけていたのかも。