「やりすぎ」と「リアル」の狭間で
清水 2人は知り合って何年くらいですか。
八嶋 来年で四半世紀になります。
高橋 この業界の人の中ではいちばんつきあいが長いでしょうね。
八嶋 しかも、密度も濃い。2人で『トリビアの泉』に出演するようになってからは、休みが同じだから遊びに行くのも一緒で。
高橋 あの頃は本当にしょっちゅう一緒にいましたよ。八嶋が「ダイビングを始めたい」って言い出した時も、僕は特に興味なかったけど一緒にライセンス取って、サイパンに行って。
清水 へー。仲いい!
八嶋 急な思いつきだったのでツアーみたいなのに参加して。飛行機の座席も2人でちょこんと並ぶわけですよ。で、お互い一般の方にキャーキャー言われるのは嫌いなタイプではないので期待して待っていると、キャーキャーどころか変な目で見られて。(笑)
高橋 とにかくコンビ感が強いんです。今でも新しい現場に行くと、初めて共演する方から、「八嶋さんは今どうしてるんですか?」って聞かれます。
清水 知らないって。(笑)
高橋 あと、僕が出た番組に八嶋も出てる、と思われていることが多い。
八嶋 僕、「『ショムニ』に出てましたよね?」ってものすごい言われるんですけど、1秒も出てませんから。
清水 2人とも、コミカルな芝居ができるから、そういうところでダブってしまうのかな。
八嶋 ところが、僕たちには衝撃的に違う芝居があるんですよ。二度見。「二度見してください」って言われたら、普通は一度見てすぐ、もう一回ちらっとだけ見るじゃないですか。こうやってクイックに(と実践)……。でも克実さんは、最初見たあとしばらくは何事もなかったかのように「そうそう、あの時ああしてこうして……」としゃべっておいて、それから突然「ん!?」っていう感じで思いっきり見るんです。
清水 遅っ! 斬新か(笑)。自分で編み出したの?
高橋 いや、俺が好きな二度見の芝居に、こういうのがあるよって見せたかったというか。たとえば『男はつらいよ』で寅さんが4回連続でコケるシーンがあるんですよ。4回も続けてコケて、最後は窓から落ちそうになるんだから自然なわけないんだけど、それが実に自然なんですね。そんなふうに、これまで自分が観てきた「あの時、あの人の芝居」について語り合ったりするじゃないですか。
八嶋 克実さん、映画大好きだから。
清水 じゃあ、その二度見もどこかで見つけたんだ。でも案外、高橋さんの二度見もリアルなところがある気がするなあ。役者の人もそうやって芝居を観察してるのか。知らなかった。